過剰な本能と感情──理性が軽視される社会の危機

私は、現代社会が不健全な方向に進んでいると直観的に感じています。

その不健全さの根源は、本能や感情が過度に優先され、理性的な判断が軽視されていることにあるでしょう。

ここでは、その不健全さを象徴する5つの具体的問題点を挙げ、それぞれの内容を身近な例を交えて明らかにし、私が提唱する「理覚の哲学」による解決の糸口を示します。

現代では、瞬間的な感情で物事を決める傾向が強くなっています。

SNSの炎上騒動はその典型例であり、一瞬の怒りや同情によって重要な判断が下されがちです。例えば、有名人のちょっとした言動に対して熟慮もなく感情的な非難が殺到し、社会的に大きな影響を及ぼすことが頻繁に見られます。

これでは建設的な議論は困難で、問題解決から遠ざかるばかりです。

現在の利益や問題解決だけを重視し、将来を見据えない決定が多く見られます。

例えば、環境破壊に関しては、一時的な経済成長を優先して森林伐採や資源の過剰利用が進み、数十年後に深刻な気候変動や資源枯渇という大きな代償を支払うことになります。

このように長期的視点を欠く意思決定は、後の世代に甚大な負担を残します。

利他的な精神が薄れ、自分の利益だけを追求する風潮が目立ちます。

例えば、転売目的での買い占め行為は他者に不便を強いてでも自分が儲かれば良いという利己性の現れでしょう。

このような行動が社会的な連帯感を弱め、互いの信頼関係を損なっているのです。

現代社会では、「唯一絶対の正解」が存在すると誤解される傾向があります。

例えば、教育や子育ての分野で「このやり方が絶対に正しい」と主張し、それ以外の方法を全否定する場面をよく目にします。しかし実際には、状況や目的によって最適な方法は異なるはずです。

このような柔軟性のない考え方は、思考の停滞を招きます。

人間の本能的な感情や認知の癖を利用して利益を得る組織や個人が増えています。

例えば、過度に感情を煽る広告や、恐怖や欲望を刺激して商品を買わせるマーケティング手法がその典型です。

このような方法で人間を操ることは、本来の自律的な判断力を奪い、社会全体を家畜化してしまいます。

こうした問題に対し、私が提唱する「理覚の哲学」は、本能・理性・個性を統合した「動的中庸」の立場をとります。それは、感情や本能を否定するのではなく、それらを適切に認識し、理性で調整・制御して、最適解を導き出そうという哲学です。

私は、この哲学が現代社会の不健全さを正す鍵だと信じています。感情を否定せず理性で照らし合わせることで、持続可能で健全な社会を築くことができるでしょう。

私は社会に対して敏感な方ではありません。しかし、そんな私でさえ危機感を覚えるほど、社会は深刻な状況にあると言えます。このまま放置すれば、さらに深刻な問題が私たちを待ち受けているでしょう。

だからこそ、私は「理覚の哲学」という灯火を掲げ、社会を照らすべく立ち上がりました。この小さな明かりが広がり、同じように社会を健全化したいと願う人々の心に響くことを願っています。

あなたも、この社会のあり方について一緒に考えてみませんか。